【コラム】入園を辞退したら育休延長はどうなる?

先日、1歳6か月までの育児休業を取得中の方から「想定より早く入園許可を得たのですが…」とご相談がありました。
入園申し込みをしたものの、できればもう少し子どもと一緒に過ごしたい! その気持ちは痛いほどわかります。ですが、制度上どのような取り扱いになるかは別問題です。
育児休業の延長にかかわる制度をしっかりと確認しておきましょう。
◆ 入園を辞退したらどうなりますか?
*育児休業給付金
原則として、養育している子が1歳(または1歳6か月)になった日の前日までは受給できます。
具体的には1歳の誕生日(または1歳6か月になった日)の前々日。(民法の規定上、誕生日の前日をもって満年齢に達したとみなされるため)
1歳または1歳6か月の時点で「保育所等の利用を申し込んだものの、当面入所できない状態であること」が受給の要件です。
入園(内定)辞退=1歳または1歳6か月の時点で入所できる状態であるにもかかわらず本人の都合で入所しないだけ、となりますので、それ以降は受給要件を満たさず不支給となります。
「やむを得ない理由」での内定辞退は支給されることがありますが、「やむを得ない理由」とは申し込み時点と内定した時点で住所や勤務場所等の変更等があり、内定した保育所等に子どもを入所させることができなかった場合とされていますので、よほどのことがない限り難しいでしょう。
*育児休業
まずは会社に相談してください。
育児介護休業法で”権利”として保障されている育児休業の延長は、育児休業給付金の考え方と同じです。
ですから、原則は入園許可(内定)を得た時点で職場復帰の話し合いを始めるべきです。
ただ、入園(内定)を辞退するのであればお子さんの面倒を見るために育児休業を継続する必要が出てきます。
会社が独自に手厚い育児休業制度を設けている場合もありますので、会社に相談してみてください。
《例》無給だが子が3歳になるまで育児休業の取得が可能 など
会社が認めれば、育児休業を延長することは可能です。
育児休業の延長が可能か否か、有給か無給かは会社の制度によります。
◆職場復帰を助ける制度
先のご相談者さまのようなケースの場合、思い切って入園&職場復帰をしても良いのではないかと思います。
*育児休業期間終了時における保育所入所の弾力的取扱い(平成18年7月5日 雇児保発第0705001号 )
育児休業期間中であれば、慣らし保育期間も育児休業給付金が支給されます。
入園日=職場復帰日にするのではなく、慣らし保育を見越したスケジュールを組むと親子共に安心ですね。
慣らし保育は一般的に1〜2週間とされていますが、園によっては1か月と言われることもあるそうです。
育児休業給付金の対象となる慣らし保育の期間についてはハローワークにご確認ください。
*育児時短就業給付金
2025年4月から始まった、新しい給付金制度です。
一定の要件を満たした方が時短勤務で職場復帰し、育児時短就業前と比較して賃金が低下するなどの要件を満たすときに支給される給付金です。
子が2歳になるまで支給されます。


*育児と仕事の両立支援制度
会社によって支援制度はさまざまです。
令和4年と令和7年の法改正でかなり手厚くなりましたが、それ以上の支援策を導入している会社も多くあります。自社の就業規則や福利厚生を確認してみてください。

◆まとめ

育児休業は職場復帰することが前提の制度ですので、取得前にある程度ご本人と会社とで復帰日について話し合っているかと思います。
ですが、状況がかわることは多々あります。
職場復帰のタイミングは人員配置や業務の割り振りに影響しますので、会社としても早めにご本人に意向を確認し、よく話し合って決めることが重要です。
人事労務担当の皆さまは、育児介護休業法の趣旨を正しく理解し、そのうえで自社の制度はどこまで配慮・支援ができる設計になっているのかを今一度確認しておかれることをおすすめします。


