【配信】#81 静かな退職~キャリアアップを目指さないのはダメですか?~

ゆみくろの人事労務を語るラジオでは、社労士仲間の黒兵衛さんと、小さな会社で人事・労務管理をしている皆さまに向けて、「働くこと」関連で気になっている話題をあれやこれやとおしゃべりしています。
【stand fm】#81 静かな退職〜キャリアアップを目指さないのはダメですか?〜
2025年5月8日 配信
「静かな退職」ってご存知ですか?
◉がむしゃらに頑張って働くのではなく、 最低限やるべき業務を粛々とこなしている状態
◉退職の意思はないけど、特に仕事にやりがいとか意義を求めず淡々と働いている状態
の社員のことをこう呼ぶそうです。
マイナビさんが行った調査では、「静かな退職をしているか?」との問いに44.5パーセントの人が「そう思う」「ややそう思う」と回答したそうです。
- 正社員の4割以上が「静かな退職」をしていると回答。20代が最多で46.7%
- 約6割の人が静かな退職で得られたものがあると回答。7割以上が「今後も静かな退職を続けたい」
- 静かな退職を選んだきっかけを4タイプに分類。仕事・環境の不適合や処遇・評価に対する不満から「静かな退職」を選択している人も
- 企業の中途採用担当者の約4割は「静かな退職」に賛成、「人それぞれ」「キャリアアップを求めない働き方も考慮すべき」。反対派は周囲への影響や会社への有益性を懸念
マイナビ「正社員の静かな退職に関する調査2025年(2024年実績)」
https://career-research.mynavi.jp/reserch/20250422_95153/
近年は、「何を大切に人生を歩んでいくのかは人それぞれ」という考え方で人生における仕事の比重を見直す人が増え、そのような価値観の多様化を尊重する経営者も多くなってきたように感じます。
ただ、本来は仕事にやる気や理想を持って頑張っていたのに、失望や不満で「静かな退職」を選択している社員がいるとしたら、それはまた別の話で、会社にとって大きな損失ではないでしょうか?
なかなか気づくのが難しいかもしれませんが、普段から社員の様子を気にかけてサインを見逃さないこと、公平性や納得感のある社内制度となっているかを定期的に見直すことが重要です。
そして、社長や上司の何気ない一言にも注意が必要です。
部下に「期待を持たせたにもかかわらず、約束を反故にした」と感じさせてしまうことが続くと、不満が募り「静かな退職」や「離職」につながります。
このあたりは、普段から良質なコミュニケーションを心がけることで回避していきましょう!