【令和7年10月スタート】リスキリングのための休暇に給付金

社員の自主的な学びやスキルアップを応援する企業が増えてきたように感じます。
就業規則に「受講料の一部または全額を会社が負担する」という規定を入れたい、とのお声もよく聞くようになりました。
業務命令ではない、個人の自発的な学びを後押しするための給付金制度が今年10月からスタートします。今回は、制度の内容を事業主の目線で確認していきましょう。
こちら↓でも概要を解説しています。
ぜひお聞きください!
◆ 教育訓練休暇給付金とは
制度の概要
労働者が離職することなく教育訓練に専念できるよう、教育訓練休暇中の生活保障を目的として創設された制度です。
雇用保険加入期間など一定の要件を満たした労働者(解雇予定者を除く)が、就業規則等の社内制度に基づき、教育訓練受講のために自発的に30日以上の無給の休暇を取得して仕事から離れる場合に、失業の給付(基本手当)に相当する額を受給することができます。

◆ 事業主の留意点
社員の成長を応援し、社外での学びを仕事に活かしてもらうことが期待できる、素晴らしい制度ですが、事業主は教育訓練休暇制度を導入するかどうかを慎重に検討する必要があります。
◉社会保険料の負担
教育訓練休暇は無給ですので、休暇中の賃金支払いは必要ありません。
ただし、社会保険料の免除はありませんので本人負担分の徴収と会社負担分の支払いが必要です。
◉事務手続きの負担
給付金を受けるのは労働者本人ですが、事業主に求められる手続きがいくつかあります。
下図の ①就業規則等の整備 ③賃金月額証明書の申請 ⑤労働者へ交付 のほかに、⑧⑩ハローワークの審査用に「賃金台帳・出勤簿(タイムカード)」等の準備をするなど、事務負担は決して小さくありません。

◉ 休暇取得中の業務の割振り、周囲の負担
受給の要件となる30日以上の休暇は、業務命令ではなくあくまでも自発的に取得する休暇となるため、ご本人だけでは同僚の理解と協力を得ることが難しいかも知れません。
ご本人が十分に引き継ぎをすることはもちろん、これを機に、業務全体の見直しや効率化、人員補充の検討、お互いに高め合う企業文化づくり等、事業主の積極的な関与が必要になるかと思います。
◆ 受給者の留意点
◉ 受給するにはいくつかの要件があります
《主な要件》
① 休暇開始前2年間に12か月以上の被保険者期間があること
(原則として、11日以上勤務している月がカウントの対象です)
② 休暇開始前に5年以上雇用期間に加入していた期間があること
(離職期間があっても一定の要件を満たせば通算が可能な場合があります)
③ 会社に教育訓練休暇制度があり(就業規則等に制度が規定されている)、事業主が休暇取得に合意していること
④ 業務命令ではなく、自発的に受講する教育訓練のために休暇を取得していること
※ご自身が受給資格を満たしているかどうかは、お住まいを管轄するハローワークで確認することができます。
◉ 退職後の失業の給付等が減る、または、一定期間受給できません
教育訓練休暇給付金を受給した場合、休暇開始日より前の被保険者期間はリセットされます。退職後の失業の給付等に影響しますのでご注意ください。
◉ 教育訓練給付金の活用も可能です
教育訓練給付金制度をご存知ですか?
一旦は受講料の全額を自己負担する必要がありますが、厚生労働大臣の指定を受けている講座であれば受講費用の一部が給付金として戻ってくる制度です。
給付金の対象となる教育訓練は、そのレベル等に応じて『専門実践教育訓練』『特定一般教育訓練』『一般教育訓練』の3種類があり、給付率は一般教育訓練が20%、特定一般教育訓練が最大50%、専門実践教育訓練は最大80%です。
教育訓練休暇給付金と教育訓練給付金は併給が可能とのことですので、お住まいを管轄するハローワークに相談してみてください。
▼厚生労働省 教育訓練給付金について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/jinzaikaihatsu/kyouiku.html
▼教育訓練講座・スクール検索システム
https://www.kyufu.mhlw.go.jp/kensaku/
◆ まとめ

会社は人で保つ。
学びへの高い意欲と向上心を持った社員は、企業にとって大切な存在だと思います。
自発的なキャリア形成を支援する会社の姿勢は、働く人の満足度と企業の活力を高める効果が期待できるのではないでしょうか。
一方で、教育訓練休暇の取得を全社員に認めるのか、人員のやりくりや業務量の調整はどうするのか等を考えて制度を設計しないと、現場の混乱を招きかねません。
メリット・デメリットをあぶりだし、人事戦略の一環として教育訓練休暇給付金制度の活用をご検討ください。
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