【コラム】定時決定後の社会保険料 更新をお忘れなく!

給与計算 社保更新

10月になりました。

今年は法改正や雇用保険料率の変更、最低賃金の見直しなど、実務に大きな影響のある変更が目白押しですね。

そんな中、忘れてはならないのが社会保険料(健康保険料・介護保険料・厚生年金保険料)の確認です。

すでに、年金事務所から定時決定(算定基礎届)の結果である各被保険者の『標準報酬月額決定通知書』が会社に届いていると思います。

これは非常に大切な書類ですので、必ず確認してくださいね。

賃金台帳を拝見していると、社会保険料額の更新忘れは思いのほか多いです。
給与計算時に更新を忘れて旧い社会保険料を控除し続けてしまった💦ということのないよう、今一度確認しておきましょう。

◆新しい社会保険料の確認方法

被保険者から徴収する社会保険料は、各都道府県の保険料額表で確認できます。

令和4年度の保険料額表は協会けんぽのHP にあります。

《ポイント》
定時決定で決まった標準報酬月額は、原則として本年9月から翌年8月までの1年間使用されます。

※定時決定後の標準報酬月額に変更がない場合は、保険料は今までと同じ額です。

※標準報酬月額に変更があった場合は保険料額も変わります。給与計算ソフト等をお使いの場合は確認をお忘れなく!!

令和4年3月分からの社会保険料額表
社会保険料額表(愛知県版)

◆いつから新しい社会保険料にすればいい?

被保険者負担分の徴収方法は、1. 被保険者が事業主に現金で支払う 2. 事業主が給与から控除する の2通りありますが、一般的なのは事業主が給与から控除する方法です。

給与計算の際に、定時決定で決まった標準報酬月額にあてはまる『健康保険料の折半額』と『厚生年金保険料の折半額』を控除します。

《 例 》 愛知の会社で標準報酬月額が30万円、介護保険2号被保険者の場合
・健康保険料  17,355円 
・厚生年金保険料  27,450円

端数処理は50銭以下切り捨て、50銭超は1円に切り上げです。(事業主との特約がない場合)

詳しくは下記を参照してください。

日本年金機構HP 保険料の計算方法について

《ポイント》
社会保険料の控除のタイミングは『当月の保険料を翌月の給与から控除』が一般的です。

※9月分の保険料から新たな標準報酬月額を使用しますので、10月分給与から保険料がかわります。

ただし、月末締めの場合は『当月の給与』で控除しておきましょう。

このような一覧表を作成しておくと迷った時に安心です!

社保料・住民税 控除月一覧表(20日〆)
社保料・住民税 控除月一覧表(20日締め・翌月10日払い)
社保料・住民税控除月一覧表(末〆)
社保料・住民税 控除月一覧表(末日締め・翌月15日払い)

◆しまった!! という時の対処法

間違いに気づいた時点ですぐに該当の社員に連絡し、精算しましょう。

協会けんぽのHPでは、過去の保険料額表(平成21年度〜令和3年度)も確認することができます。

正しい保険料と控除済みの保険料の差額を算出し、徴収または返金します

誤っていた期間が長いと金額も大きくなります。

できるだけ社員さんの負担の少ない方法で精算していきましょう。

また、社会保険料額が変更になるということは所得税に影響してきます。

税理士さんにも相談されることをおすすめします。

◆まとめ

給与計算の際に『今は何月分の社会保険料を控除しているのか』を把握しておくことはとても重要です。

国への納付金額は年金機構であらかじめ計算されているため間違うことはまずありませんが、被保険者負担分の控除額はだれも通知してくれません。

万が一間違ったまま放置してしまうと負担が大きくなるばかりですので、保険料が変わるタイミングを忘れないようにしましょう。

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